10月9日 09:46 猫の糖尿病
今日は久しぶりに病気の話で、猫の糖尿病についてです。
猫の糖尿病は肥満の猫ちゃんだけの病気ではなく、やせていてもなることが多いです。糖尿病は膵臓からのインスリン分泌が減る、もしくは全くなくなるためにおきる病気です。典型的な症状として水をよく飲む、というのがありますが、これも、例外の猫がいて、あまり水を飲まない場合があります。
糖尿病の診断に必要なのは、尿に糖がでていて、なおかつ血糖値が300以上が2、3回続くことです。
猫の糖尿病で多いのは①慢性膵炎が原因の場合、 ②ヒトの2型糖尿病に近いといわれる生活習慣や肥満が原因の場合、この2つです。
最近は慢性膵炎が原因の糖尿病が増加している(糖尿病猫の60%から80%)ということで、糖尿病の場合は、膵炎検査も行います。
慢性膵炎が原因の場合、インスリンが必要なくなる場合や、インスリンが必要ない時期もある、など、血糖値に波があります。これは、慢性的なすい臓の炎症なので、炎症が比較的落ち着いているときはインスリンを分泌して、悪化するとインスリン分泌が減るためです。
食欲元気がある猫の糖尿病は、インスリンを投与しながら経過をみていきます。糖尿病用の療法食もございます。
糖尿病の猫で、非常に重症になるのが、糖尿病性ケトアシドーシスです。糖の利用ができなくなり体にケトンという物質がたまり、激しい脱水をおこしぐったりします。 この状態は緊急事態ですので入院して集中治療が必要になり、3−4日で回復することが多いですが、重症度が高い時は死亡することもあります。糖尿病の治療中の猫で、食欲元気がなくなったときは必ず診察をうけましょう。
早く発見するために、中高年の猫ちゃんは、定期的に健康診断をうけましょう。血糖値が高くなくてもコレステロールや中性脂肪の数値が高い猫ちゃんは要注意です。