8月8日 08:46 犬のアトピー治療について
犬のアトピーは、環境中の物質に反応してかゆみ成分がでてしまい、体がとてもかゆくなってしまうという病気です。環境中の物質とは、家の中のダニやほこり、カビ、花粉などです。遺伝的なものが考えられ、完治することが難しい病気です。ノミのかゆみや、皮膚のダニなど、他の皮膚炎ではないことがわかればアトピーの可能性があります。
治療として、①はげしいかゆみを抑えるためのステロイドの注射や飲み薬や塗り薬、
②アレルギー反応を起こしにくくするための抗ヒスタミン剤、
③免疫を正常化させるための犬インターフェロン注射、
④過剰な免疫を抑えるための免疫抑制剤、
⑤弱くなった皮膚を守るシャンプー療法などがあります。これらをいくつかを組み合わせて経過をみたり、 効かないときは薬をかえてみたりします。
⑥食べ物を変更してみる、ということも試みたりします。アトピーのひとつの症状として食べ物アレルギーがでることもあります。
ものすごくかゆい時にステロイドを数日使うことで、犬が掻きすぎて傷をつけることを防げます。ただし
ずっと使い続けると他の悪い作用が出てしまうので注意が必要です。インターフェロンや免疫抑制剤は副作用が少なく、ステロイドの使用量を減らせる可能性があります。
最近発売された新しいアトピー治療薬は、減感作療法という治療法の注射薬です。アレルギーの元になる物質を少しずつ体にいれて、徐々にアレルギーを起こしにくい体にする、というものです。1週間に1回注射をして、だんだん薬の量を増やし、合計6回の注射をします。速効性はありません。また、全くかゆくならなくなる、というわけではありませんが、今までの治療とは種類が違いますので、これまでの治療であまり改善されなかったワンちゃんでこの治療法をしてみたい、というかたは来院されたときに詳しくご説明いたします。いつでも受付または獣医師におたずねください。